鶏糞肥料の効果と使い方の注意点は・・・

鶏

生産者の皆様とお話をしていて、土壌や作物についてのお悩みをいろいろ伺います。どんな肥料を使っているかをお聞きすると、「鶏糞」を使用しているという方が時々いらっしゃいます。

例えば、

  • ①  作物に病気の症状や、虫の発生がみられる。

  • ②  作物の品質が低下している。

  • ③  土壌の測定をしたらPHが変化していた。

といったお悩みです。
このような症状に鶏糞がどのように関係しているのかどうかをまとめてみました。

鶏糞について

鶏糞は、鶏の糞を乾燥させて作った有機栽培も使用ができ、有機肥料としては、比較的に価格も安く、効果も早く現れ、扱いやすい肥料です。種類によっては臭いも少なく「元肥」にも「追肥」にも使え、扱いやすい肥料です。

【栄養成分】

窒素・リン・カリ、その他にマグネシウム・カルシウム・マンガン等の微量成分も含まれている肥料です。

【安全性】

養鶏場で出た鶏の糞を使用している物が多く、有機栽培にも用いられています。 国内産の鶏糞は、安全性が高いと言われています。しかし、完熟してるのかどうかの判断が難しい、鶏糞の出所がはっきりしていない、抗生物質等の使用があるのかどうか、どのようなプロセスで作られたのかなど、使用者側の判断が付きづらいところがあります。

【臭い】

未発酵の鶏糞はかなり強い臭いがします。近年では都市型農業も多く、住宅地に近い場合では臭いの問題があります。使用する際は、なるべく臭いがしない完全発酵させたものやペレット状の物を使うなど、近隣住民への配慮が必要になります。

◎未発酵の鶏糞について

発酵が不十分な鶏糞は、土壌に混ぜてから急速に発酵がすすんでいきます。その間は臭いが強く発生します。水分を含んだ時も臭いが発生します。
未発酵の鶏糞は、尿に含まれる尿酸が分解しきれていません。また窒素が多くなり、作物の窒素の代謝に弊害が出て病虫害や生育不良が起こりやすくなります。

鶏糞の種類

名称 特徴
発酵鶏糞

鶏の糞を発酵させた物で、臭いは抑えられています。発酵分解されているので速効性があります。

乾燥鶏糞

鶏の糞を乾燥させた物で、発酵分解はされていません。土壌に混ぜてから発酵が始まります。元肥に使用する場合は、土壌に混ぜてから発酵分解する日数を計算して施肥する必要があります。

鶏糞ペレット

発酵させた鶏糞を高温で加熱処理し、ペレット状に加工した物です。臭いもほとんどなく取り扱いが簡単です。

炭化鶏糞

高温で炭化した鶏糞で、臭いが無くサラサラな状態で、追肥にも使いやすい肥料です。

オススメしている対策は・・・

作物の病虫害

①  病気の発症、虫の発生について

未完熟の鶏糞は窒素が多く、病虫害が起こりやすいといわれています。しっかり発酵した完熟鶏糞を使用することと、施肥してから定植するまでの期間を可能な限り空けた方が良いかと思います。 作物の病虫害が発生した時に、「植物性ミネラルの葉面散布剤」をおすすめしています。

②  作物の品質が低下ぎみ

窒素の効くタイミングが大きく影響します。鶏糞のような有機物は、硝酸態窒素まで分解するのに地温、微生物量に影響を受け、作物が窒素を必要とするタイミングで補給することが非常に難しいと言われています。作物体内の代謝力を上げていくことが一つの改善策になります。「植物性ミネラルの土壌改良材」と「植物酵素」の施肥をおすすめしています。

③  土壌PHの変化

鶏糞は、作物の栄養を補いますが、土壌の改良はできません。土壌中の腐植物質が減少しているかもしれません。腐植は、健康な土壌サイクルを維持し、腐植土壌はミネラルの宝庫とも言われています。ミネラルバランスを整えることと、緩衝役となる腐植をうまく利用できる「植物性ミネラルの土壌改良材」をおすすめしています。

鶏糞を使用して、土壌や作物に障害がおきた理由として

  • ◎未発酵の鶏糞の使用。

  • ◎必要以上の量を施肥した。

  • ◎作物の根に近く施肥した。

  • ◎施肥したタイミングが悪かった。

  • ◎土壌の腐植質が減少している。

などとなるのではないかと思います。

鶏糞を使用する際の注意

鶏糞は栄養成分や価格面、有機肥料にも使える効果的な堆肥ですが、使用する際には注意が必要になります。

使い過ぎ

使いすぎると尿酸が多く発生し肥やけを起こします。又われが起きないように株や根から離して撒くなど、使用する際に注意が必要です。

カルシウム量

鶏のエサにはカルシウムが含まれていますので、糞にもカルシウムが含まれます。カルシウムは、土壌をアルカリ性に傾く、土壌を固めるといった性質があります。石灰と併用するとカルシウム過多になる可能性もあります。

土壌診断と施肥のタイミング

健康な土壌を保つためにも、発酵の度合いなど品質の良い鶏糞を選び、土壌の窒素量、EC値などをしっかりと確認してから施肥することをおすすめします。 鶏糞を使用するタイミングは、天候や土壌の状態によって作物に影響しますので、使用時期から定植までの計画をしっかりと考えて行うと良いかと思います。