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鶏糞の使い方と注意点

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土壌や作物についてのお悩みの中で、肥料に「鶏糞」を使用しているというお話を伺うことがあります。

例えば、
① 作物に病気の症状や、虫の発生がみられる。
② 作物の品質が低下している。
③ 土壌の測定をしたらPHが変化していた。

といったお悩みです。 以下に鶏糞についてメリットや注意点、上記の症状の改善案などをまとめてみました。

鶏糞の種類

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名称 特徴
発酵鶏糞 鶏の糞を発酵させた物で、臭いは抑えられています。発酵分解されているので速効性があります。
乾燥鶏糞 鶏の糞を乾燥させた物で、発酵分解はされていません。土壌に混ぜてから発酵が始まります。元肥に使用する場合は、土壌に混ぜてから発酵分解する日数を計算して施肥する必要があります。
鶏糞ペレット 発酵させた鶏糞を高温で加熱処理し、ペレット状に加工した物です。臭いもほとんどなく取り扱いが簡単です。
炭化鶏糞 高温で炭化した鶏糞で、臭いが無くサラサラな状態で、追肥にも使いやすい肥料です。

鶏糞を使うメリット

鶏糞は農業や園芸などにおいて、いくつかのメリットを提供することがあります。メリットを最大限に活かすためには、適切な鶏糞の管理や使用方法を実践することが重要です。以下に鶏糞の主なメリットをいくつか挙げます。

栄養素の供給
鶏糞は窒素、リン、カリウムなどの栄養素を豊富に含んでいます。これらの栄養素は植物の成長や生育に不可欠であり、鶏糞を肥料として使用することで、土壌に必要な栄養素を供給することができます。
有機物の追加
鶏糞は有機物を含んでおり、土壌の有機物含有量を増やすのに役立ちます。有機物は土壌の保水力や保肥力を向上させ、土壌の質を改善する助けとなります。
コストパフォーマンスが良い
鶏糞は比較的安価で手に入る有機肥料の一つで、窒素、リン、カリウムなどの主要な栄養素が豊富に含まれています。これにより、他の肥料を組み合わせる必要が減り施肥コストを抑えることもできます。

鶏糞を使用する際の注意

鶏糞は栄養成分や価格面、有機肥料にも使える効果的な肥料ですが、使用する際には、慎重かつ安全に取り扱う必要があります。以下に、鶏糞を使用する際の注意点をまとめてみました。

使用量の調節
過剰な鶏糞の使用は、土壌の栄養バランスを崩す可能性があります。植物の要件に基づいて適切な使用量を計算し、調整することが重要です。使いすぎると尿酸が多く発生し肥やけを起こします。又われが起きないように株や根から離して撒くなど、使用する際に注意が必要です。
カルシウム量
鶏の餌にはカルシウムが含まれているため、糞にもカルシウムが含まれます。カルシウムは土壌をアルカリ性に変え、また土壌を硬化させる性質があります。石灰との併用により、カルシウムが過剰に供給される可能性も考えられます。
土壌診断と施肥のタイミング
土壌を健康に保つために、発酵度合いなどの品質の高い鶏糞を選び、施肥前に土壌の窒素量やEC値などを確認することが重要です。鶏糞を使用する際は、天候や土壌の状態に配慮し、使用の計画を定めてから作物に施肥することがおすすめです。
悪臭の制御
鶏糞は腐敗すると強い悪臭を発することがあります。近隣の住民や環境に配慮して、鶏糞の使用に伴う悪臭の発生を最小限に抑えるために、適切な散布や混合方法を検討しましょう。
安全な保管
鶏糞は湿気に弱いため、適切な保管が必要です。湿気を避け、通気性のある袋や容器に保管することで、品質を維持しやすくなります。
重金属の検査
鶏糞には鶏が飼われていた環境に由来する重金属が含まれることがあります。使用前に鶏糞を検査し、重金属の濃度が安全な範囲にあることを確認しましょう。
抗生物質フリーの飼料を選ぶ
鶏の飼育に抗生物質を使用している場合があります。抗生物質が残留した鶏糞を使うことで土壌や植物に悪影響を及ぼす可能性があります。抗生物質フリーで飼育された鶏糞を使用するのが好ましいです。
法規制の遵守
抗生物質の使用に関する規則も含め、地域や国の法律や規制を確認し、それに従って鶏糞を使用するように心掛けましょう。

これらの注意点は鶏糞使用のデメリットにも繋がるため、適切な鶏糞の処理、堆肥化、使用方法の実施、安全な保管などの対策を講じることが重要です。また、地域の法律や規制にも従う必要があります。

オススメしている改善案

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病気の発症、虫の発生について
未完熟の鶏糞は窒素が多く、病虫害が起こりやすいといわれています。しっかり発酵した完熟鶏糞を使用することと、施肥してから定植するまでの期間を可能な限り空けた方が良いかと思います。 作物の病虫害が発生した時に、「植物性ミネラルの葉面散布剤」をおすすめしています。
作物の品質が低下ぎみ
窒素の効くタイミングが大きく影響します。鶏糞のような有機物は、硝酸態窒素まで分解するのに地温、微生物量に影響を受け、作物が窒素を必要とするタイミングで補給することが非常に難しいと言われています。作物体内の代謝力を上げていくことが一つの改善策になります。「植物性ミネラルの土壌改良材」と「植物酵素」の施肥をおすすめしています。
土壌PHの変化
土壌中の腐植物質が減少しているかもしれません。腐植は、健康な土壌サイクルを維持し、腐植土壌はミネラルの宝庫とも言われています。鶏糞は作物の栄養を補いますが、疲弊した土壌を早期に改良するには無理があります。ミネラルバランスを整えることと、緩衝役となる腐植をうまく利用できる「植物性ミネラルの土壌改良材」をおすすめしています。

鶏糞を使用して、土壌や作物に障害がおきた理由として以下のことが考えられます。

◎ 未発酵の鶏糞の使用。
◎ 必要以上の量を施肥した。
◎ 作物の根に近く施肥した。
◎ 施肥したタイミングが悪かった。
◎ 土壌の腐植質が減少している。
など

鶏糞を使用する際は、作物の選別・品質・使い過ぎ等に注意してください。