ヒューミックシェールとは、アメリカ合衆国ユタ州エミリー郡にある古代植物堆積層のことを言います。
今から約7,200万年〜1億年前の多くの栄養素が含まれている肥沃な植物堆積層が石油や石炭になることなく、有機物として奇跡的に残った地層です。
恐竜時代のみずみずしく生い茂っていた植物たちは、肥沃な土壌から豊富にミネラルを吸収し、バランスの整った状態で植物体内に蓄積し、巨大な植物のジャングルを形成していました。
しかし、巨大な植物のジャングルは隕石の衝突によって土に覆われてしまいます。
そして、バクテリアなどの微生物により分解を繰り返し、その上に新しい有機物が何層にも積み重なり、再度バクテリアなどに分解され時間の経過とともに堆積層を形成していきます。
奇跡的なことにその地層は、石油や石炭として化石化せずに地表近くに残り、発酵と分解を経て、「フルボ酸」「フミン酸」「ヒューミン」などの有機物(腐植物質)を多く含む貴重な植物堆積層となりました。
氷河期に入ると植物堆積層は地下に埋没され、度重なる地殻変動や河川の浸食などにより、地表に姿を現し1925年に発見されます。
フルボ酸は、腐植土壌に存在する有機物(腐植物質)の一種で、約70種類の植物性ミネラルが含まれています。
フルボ酸には、ミネラルをキレートして、有用ミネラルの吸収を高め、有害なミネラルは吸着し吸収されにくくする働きがあります(キレート作用)。
「植物ミネラル土壌改良資材」に水を入れて何日間か放置してみます。水分が蒸発した後に「フルボ酸の結晶」が塊りとなって残っているのがわかります。この濃度の濃さが、少量の使用でも効果を発揮する要因です。
フルボ酸の抽出方法は、精製水の入った大型タンクにヒューミックシェールを入れて、約3日間程経過するとフルボ酸がにじみ出てきます。固形物を取り除き上澄み液を抽出します。抽出した上澄み液は、ミクロンフィルターで濾過(バクテリア等細菌類を除去)し、低温殺菌を行い「フルボ酸原液」が出来上がります。
※フミン酸やヒューミンは、水や酸には溶けない性質のため、フルボ酸と分離することができます。
地表近くに存在するものほど圧力がかからず、古代植物の性質を限りなく引き継いでいます。粉砕することなく容易に削り落とせます。
※地表深く存在するものは、圧力がかかり硬く、石炭に近くなります。
雨に濡れた後の乾いた地層の表面には、あふれ出るほどのミネラルが豊富に含まれています。濡れ乾くたびに何度でもミネラルが出てきます。冷水による抽出も3日ほどですみます。
※冷水の抽出では3~4ヶ月かかるものもあり、長期放置されるので水の汚染(カビの繁殖など)が心配されています。
厚みが5mを超える地層は、露天掘りされることで数種類のヒューミックシェール層をブレンドすることが可能です。より安定した品質を保てます。
ヒューミックシェールから採取した腐植物は、アメリカ合衆国でオーガニック資材として認定を受けています。
本原料はアメリカ合衆国ユタ州のGMP認証工場で、最終製品の出荷にいたるすべての過程において、製品が「安全」に作られ「一定の品質」が保たれるよう、厳しい製造管理・品質管理の基に生産されています。
輸入後は、定期的に菌検査、重金属検査を行い健康被害防止に努めています。
フルボ酸に含まれるミネラルは、植物によりイオン化され分子がバラバラになった微粒子サイズ(ナノサイズ)の「植物性ミネラル」です。
キレート作用やマイナス電荷により、体内吸収率が高く、必要なミネラルは体内に吸収されやすく、過剰なミネラルは排出されやすくなります。
栄養素が血液などの体液中を安定して移動するためには、イオン化されたミネラルと結合して電解質になる必要があります。私たち人間の神経細胞や筋肉細胞の働きに大きく関わっています。細胞の内側はマイナスの電荷を帯び、外側はプラスの電荷を帯びていますが、刺激を受けるとプラスとマイナスの逆転が起こり、バランスを崩し支障をきたす場合もあります。
※ナノサイズ=10億分の1m。赤血球の7000分の1の超微粒子サイズです。
※イオン化とは、プラスやマイナスの電荷を帯びるようにすること。電解質とは、水に溶けて陽イオンと陰イオンとなり電気を通す物質のことです。
参考図書 「体内浄化 健康法」(著者)大森隆史
ヒューミックシェールのフルボ酸は、微生物によって発酵し、植物性ミネラルが多く含まれる微粒子コロイドです。
コロイド化とは、タンパク質などによって構成された膜で、ミネラルやビタミン、アミノ酸などが包み込まれ小さな粒状になっている現象です。
例えば、濁った川なのに魚が住みついている川(A)と、濁った川で魚が住めない川(B)があります。それぞれの水をコップに入れしばらく置いておき変化をみると、コロイド化しているか、泥水なのかがわかります。
濁った川の水(A) | 濁ったまま変化なし | コロイド化している。魚が住める |
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濁った川の水(B) | 泥が沈殿して二層に分かれる | 泥水。魚が住めない |
参考図書 「ヒューミックシェールを科学する」(著者)山城眞
キレート作用には、硫黄を含んだアミノ酸が重要な役割をしているといわれます。 硫黄を含んだアミノ酸は、メチオニン(C5H11NO2S)とシステイン(C3H7NO2S)の2種類があり、デトックス作用をもっているのがシステインです。
メチオニンとシステインに含まれるS(硫黄)の結合場所に違いがあります。
メチオニンのS(硫黄)は分子構造の中に存在しています。
システインに含まれるS(硫黄)にはH(水素)が付いて、分子構造の端に存在しています。
アミノ酸とアミノ酸は結合することができ、ペプチドが生まれます。
システインの場合も、システインとシステインが結合してシスチンというペプチドが生まれ、このシスチンが「カニのハサミ」と呼ばれるキレート作用を持っているということです。
両方のSHのH(水素)を捨てて、S(硫黄)とS(硫黄)で水銀などの重金属(有害ミネラル)を挟んでくれるからだそうです。
それだけなく、挟んだ有害ミネラルを有効ミネラルと入れ替る機能もあると言われてます。その時に有効ミネラルがないと有害ミネラルが挟みこまれたまま体内に蓄積され続けます。
ヒューミックシェールのフルボ酸は、キレート作用に重要な役割をはたす硫黄が多く含まれています。
参考図書 「ヒューミックシェールを科学する」(著者)山城眞
(C) Japan Organic Mineral Inc. 2016